SONY PCV-RA71PS(SonyStyle CTO model)
YAN's VAIO SITE - RA71PS REVIEW - 2004.10.12
 さて、今回のチェンジがVAIOの命であるMPEGボードを一新、しかもエンコードチップ自体が変わっているのである。ENX-13以降、ボードの型番自体は変わっていたが、エンコーダチップは同じものを使用していた。つまり、入力側の改善(チューナー、3DNR、YC分離等)はなされていたが、エンコード自体はブロックノイズ等が目立っていた。今回は入力側はNADESICO世代のままエンコードチップを最新のXcode2に、コピープロテクション対応のIEEE1394等とともに変換部分を一体化してボード自体を全く新しいものにしている。これで、PCI-Expressだったら帯域等の問題も改善されて、HD世代でも使われるのだろうが、今回はPCIだ。PCIブリッジが別チップになったのもPCI-Expressに対応させるためかもしれない。
 では、肝心のエンコード画質だが、今回はチューナーや高画質部分はENX-18とほぼ同等であるため条件をそろえることができ、比較しやすい。動画なので実際の画面は割愛するが、一目見ただけで画質が改善されていることがわかる。ENX-18でブロックノイズがでている場面でもENX-33ではほとんど目立たない。文字部分など「にじみ」やすい場面でもENX-33ではにじまない

 長時間モードはビットレート自体が違うので、単純に比較できないが、当然、RA71の方がきれいだ。小さい文字もきちんと読めるくらい。ファイルサイズも2倍近く大きくなる。

 高画質モードでは普通には区別できないくらい両方ともきれいだが、動きの激しい場面でのブロックノイズがENX-33の方がほとんどでない。


 では、比較とYANの独断による感想を(^_^;)

1.デコーダーがソフトウエアに変更された(ENX-30から)

  このことは、DoVAIOのWindow時のサイズが自由に設定できる、CODECがインストールされていれば、そのCODECに対応したファイルをDoVAIOで再生できるようになった、それに伴いMPEGボードからのビデオ出力も楽VIEWなどを使わなくても良くなった等のメリットをもたらした。

2.DoVAIOによるリモコン操作を主とした統合環境ソフト

  家電感覚で使えると言うことは、前述の通り、マウス操作とパソコン処理前提のGigaPocketとはコンセプトが違うため、多くの既存Gigaユーザには不満である(笑)と思われるが、初めての人やパソコン初心者には(多くの人がそうであろう)大変受けが良いと思われる。YANのまわりでもそのような反応であった。DoVAIOは統合環境ソフトであるため、DVD再生部分は、「Win DVD 5 for VAIO」が使われ、音楽関係は「SonicStage」、DVD書き込み部分は「Click to DVD」、ネットワーク関係は「VAIO Media」が、それぞれ使われている。つまり、DoVAIOとは別にそれぞれのソフトを単独で起動することで使用できるのである。TV/ビデオ環境も独立したGigaPocketのようなソフトが存在した上で、DoVAIOのような統合環境ソフト上で動いたなら新規ユーザーにも、既存ユーザーにも受け入れられたであろう。今後に期待したいところだ。

3.DVDスーパーマルチドライブ

  今回、VAIOとしては初めてDVD-RAMドライブが標準実装された。しかし、これはコストとカタログスペックの関係だけで本当に「使える」ようにはなっていない。DVD-RAMのメリットは、大きく2つであると考えられる。1つめは日本におけるDVDレコーダーはDVD-RAMの普及がとても多く、レコーダーとの連携を考えると、VRモードをサポートしたソフトとともに編集等を容易にすることである。2つめは主にMOのような使い方で、ファイル単位で読み書きができ、データなどの比較的小さなファイルで、頻繁に更新するような場面での使用である。ライティングソフトを使わず、エクスプローラーからFDDのように気軽に扱えるのはとても便利である。しかし、Windows XpがサポートしてるのはFAT32での書き込みだけであり、ファーマットもFAT32だけである。UDF1.5/2.0で使うためには、別途DVD-RAMドライバーが必要である。上記レコーダーでの記録もUDFだ。もちろん、RA71にはDVD-RAMドライバーはインストールされていない。そのため、UDFは読み込みしかできないのだ。YANは別途、外付けドライブを持っているので、DVD-RAMドライバーをインストールしたが、なんとも中途半端な扱いだ(^_^;)。前述で、Click to DVD 2.2でVRモードをサポートするようだと記述したが、DVD-RAMで扱えるようにするためには、UDFのサポートが必要であり、DVD-RAMドライバーが必要なので・・・・・(笑)。

4.静音

  これはすごいの一言だ。とても静かである。RZと較べるとても顕著だ。静音にこだわるならRAはとても良い選択肢だ。筐体内温度も低く、デザインをのぞくと(笑)とても良い筐体といえる。1ドライブとHDD2ドライブ、FDD無しとかにして、「VAIOキューブ」なんかを作れば、家電として良いと思うんですけどねえ(^_^;)、で、同デザイン、同サイズでデジタルチューナーBOXとか、X3サーバーとか作って、組み合わせていろいろな機能を実現!なんて。

5.PCI-Express

  標準のX300が思ったより良くて気に入ってしまいました(笑)なんたってFANレス。必要十分な性能。3Dゲームと言ったって、特殊なものだけで、ほとんどものはこれで十分だ。X600をチョイスする必要はまったくない。そもそもX300で快適でない3DゲームはX800PEなどが必要であろう。そういう人は交換前提でしょうし、一般使用においてはX300とX600に値段差の価値は認められない。ただ、一つ。X300はオーバーレイ画面のコントラストが高めに標準設定されており、白飛びがひどいのだ。これは、NVIDIAの6600GTに交換すると顕著で、白い服などは白飛びで階調が全く無くなってしまう。ATIの設定で、オーバーレイ時のコントラストを下げると解決するので、持っている人は調節した方がよいですよ(笑)あと、GigabitLANがPCI接続で帯域の関係で遅いが、来年にはきっとINTEL製のNorthwayに変わるんでしょうねえ。かなり遅れているようですが。


 今回のRA71/61はMPEGボードの変更による大幅な改善がされている。しかし、ソフトの対応が遅れており、本当は1月モデルで変更予定だったのでは?と思わせるような状況だ。推測だが、このボードは、X3サーバーとともに、Type Xように開発されていたものではないかと思われる。ソフトもType Xの発売に合わせて開発が進んでいたのではないかと。Type X発売後、機能改善をして、1月VAIOで搭載というスケジュールだと、この中途半端な状況では無かったはずだ。DV-アナログ変換機能も未だ対応ソフトがアップされておらず、使えない状況だ。使用されている、エンコーダーチップもXcode2のフルバージョンで、4本の同時エンコードなど機能が豊富だが、値段も安いXcode2-L(2本)や-E(1本)も存在するようだし、1つのチューナーしかないENXでは、こちらの廉価版の方が無駄もなくコストが安かったであろう。まあ、チップが量産出荷されていないためかもしれないが。外付けデジタルチューナーも12月発売。まあ、ソフトのバージョンアップに期待しましょう(笑)

 さて、RA51.だが、こちらはマザーもPTGD-VXという、PTGD2-VXのRAM部分をDDR2からDDRに変更しただけのものが使われている。FSB800の現在の帯域では違いはほとんど無く、DDRの方が安いため、こちらのマザーもCTOで選べるようになっていると良かったのではないかと思う。それ以外は全く同じ機能のようだし。BIOSも2002。USAモデルのRAではPTGD-VXが使われているようだ。また、今回のRA*1シリーズでは、初めて51と61/71で違うエンコーダーボードが使われている。RA51では、RA50/60/70と同じENX-30が使われているのだ。前述のように、エンコーダーチップの違いから、画質が全然違うため、RA51を買うなら、SonyStyleでCTOで選択することを強くおすすめします。

 それにしても、今回のRA71は、Prescottの3.0GHzなのだが、RZ73も同じ周波数のNorthwoodの3.0GHzなので、比較してしまうのだが、確かに言われるようにワンテンポ遅れる動作は「もっさり」しています。現時点でSSE3の恩恵は少なく、この遅さは嫌ですねえ(笑)動作がワンテンポずつ遅れるので、相対的にRZ73の方が速いんですよね。これで、HDDがRapterでなければもっと遅いと思うと・・・。