IO WN-APG/NEC WL54TE(802a/g/bトリプル)
YAN's VAIO SITE - 802a/g/b REVIEW - 2003.12.22

 無線LANが一般的になり、現在ではa/g/bのトリプルに対応するものが一般的になってきた。それぞれ長所と短所があり、とりあえず全部使えればOKという感じであろう。問題はコストとなる。

 I/O DATAから発売されたWN-APGは、現在のa/g/bトリプルワイヤレスのアクセスポイントの大部分がa(5GHz)とg/b(2.4GHz)の切り替え式であるのに対し、同時アクセスが可能となっている点が特徴だ。ELECOMやPLANNEXからもPoE対応の同時アクセスポイントがでているが倍以上の値段であり、同じアセロスであるがルーター機能はない。BUFFALOからも出ているが若干高めであることと、BROADCOM製であることが違う。今はやりのバーストモードはこのチップのメーカーによって互換性がない(^_^;)(一部使えるものもあるが)
 蓋を開けると左のような構成となっている。Hub部分にはMarvell製のスイッチング88E6060-RCJが使われている。下で説明するアセロス製の3つのチップとSD-RAM、FLASHとシンプルな構成だ。
 メインチップはアセロス製のAR5002AP-2Xが使われており、3チップで構成されている。メインであるAR5312はMIPS R4000相当のプロセッサーを内蔵しており、外部にSDRAM/FLASHを接続することができる。Dual同時アクセスに対応するため、MACを2つサポートしている。また、2つあるシールドケースの中にはAR5112とAR2112がそれぞれ使われている。AR5112は単独でDual band対応のRoCであり2.4/5GHzを切り替えることができるが、これでは5GHzとして使われている。同時アクセス用にAR2112が2.4GHzのRoCとして使われている。
 NECから発売されたWL54TEは有線LANを無線化するワイヤレスコンバーターだ。このようなコンバーターはBUFFALOやSONYからも出ているが、BUFFALOのものはg/bだけでaには対応しておらずチップもBROADCOM製だ。SONY製PCWA-DE80は同じアセロス製のチップを使用しており、SUPER A/Gにも対応(予定)であるが値段が高い(^_^;)このWL54TEの特徴は有線LANが2つあることだ。つまり、同時に2つの有線LANを無線化することができるのだ。
 左のようにアセロス製のチップ2つとSDRAMとFLASH、裏にswitchだけというシンプルな構成だ。
 チップはアセロス製のAR5002AP-Xが使われていた。そう、アクセスポイント用だ。メインはAR2312であり、上記AR5312と同等だが、MACが1つであるところが大きな違いだ。RoCには上記と同じAR5112がシールドケースの中に使われている。2.4/5GHzを切り替えて使用することができる。

 また有線部分にKS8995Xがスイッチとして使われていた。つまり、この2portはスイッチングHubとして機能しているようだ。また、説明書にもこの下にスイッチングHubをつないで複数つなぐことができると書いてある。どうやらアクセスポイント間通信という感じのようである。

 ついでに(^_^;)SONYのC800も。SONYは、アセロス製のチップセットを以前から使用しているが、このPCWA-C800Sは、AR5002を使用したa/g/b対応のPCカードだ。C800Sの特徴は、「でっぱり」が少ないことだ。実際、PCカードスロットは、デジカメ等のフラッシュメモリくらいにしか用途はないので、左の写真のようにほとんど邪魔にならないのはとても良い。YANのU101は無線LANにminiPCIを使用しているが、その特殊なコネクタのため、取り替えは事実上ほぼ不可能であるが、これならOKだ。
 上記のように現在のルータ等は、チップへの機能統合が進み、Hub機能以外、アセロスのチップセットのみで実現されている。ファームもアセロスのものをちょっと変更しているくらい(であろうから)各めーかーのものも基本的に同じチップであれば変わらないと思われる。もちろん、基盤やアンテナ等の作りの違いで性能や安定性には違いが出ると思われるが。