BIOS豆知識・あれこれ

 特に、VAIOに関係するBIOS-ROMについての簡単な解説とDMIに関しての情報をまとめておく。
 左が440BX以前のマザーボードで使われている2MbitのフラッシュROMである。P2B-AEやP3B-1394などはこのタイプだ。大抵がソケットに刺さっているため、簡単に抜き差しすることが可能だ。容量が2Mbitであることから、256Kbyteということになる。それに対して、INTELはi8**シリーズにおいて、チップセット間の接続をPCIからより高速なバス間通信ができるHubと呼ばれる構造を採用した。GCHと呼ばれるメインチップとICHと呼ばれる周辺チップとFWHと呼ばれるフラッシュROMの3チップ構成だ。VAIOなどで使われているFWHは82802ABという型番を持つ4Mbitの32pinのPLCCが使われている。4Mbitということは512Kbyteの容量がある。一般的な市販のマザーボードではソケットに刺さっているのだが、VAIOに使われているASUS製のマザーボードでは右上のように直づけになっている。よって、手軽に交換することができないために、BIOSは慎重に扱わないと復旧できない事態に陥ることもある。最近では、82802AB互換のSST49LF004/AなどもASUS製のマザーではよく使われる。また、最新のP4Bシリーズなどでは、2MbitタイプのSST49LF002/Aが使われている
 上記のように、FWHを使用しているBIOSでは512Kbyteの空間を持っている。しかし、AWARD BIOSは、容量の節約のためか、Award Decompression BIOSとAward Boot Block Biosなどを除き、lha-5形式での圧縮がされている。つまり、Award Decompression BIOSの部分が、lha形式の圧縮ファイルを展開する実行プログラムである。よって、BIOSをバイナリエディタなので切り分けてlhaで展開してやれば中身を見ることができるのだ。通常P2B-AE/P3B-1394などの2MbitタイプのDMI情報は上記256Kbyte空間の中にある。一方、4Mbitタイプでは容量が2倍の512Kbyteになっているが、実際には256Kbyte分しか使われていない物が多い。DMI情報はASUSでは、通常アクセスできない256Kbyteの領域におかれている。i815を使用している、CUSL-LX(RX60)とCUSL2-Mの例を下に示す。
CUSL-LX CUSL2-M
00000- DMI
20000- DMI(機種名などの情報部分)
30000- ACFG
40000- cpucode.exe
AWARDEXT.ROM
ACPITBL.BIN
cav_shdw.bin
rtsrom_m.lom
pci32.rom
sony.com
sony.bmp
cpucode.exe
AWARDEXT.ROM
awardepa.epa
ACPITBL.BIN
cav_shdw.bin
mbios_t.bin
d8152231.dat
60000- stn.bin
74000- asus.bmp
76000- Award Decompression BIOS
7E000- Award Boot Block Bios V1.0
 次に最新のRX53(P4B-LX)での情報を、同じくASUSTeK製市販マザーであるP4B-LXのBIOSと比較してみる。
 
CUSL-LX RX53(P4B-LX) 市販版P4B-LX(1003)
00000- DMI  P4B-LXは2Mbitなので、40000-が0-になります。つまり、00000-3FFFFまで。
20000- DMI(SONYなど)
30000- ACFG
40000- cpucode.exe
AWARDEXT.ROM
ACPITBL.BIN
cav_shdw.bin
rtsrom_m.lom
pci32.rom
sony.com
sony.bmp
stn.bin
cpucode.exe
AWARDEXT.ROM
AWARDEYT.ROM
FILE1.ROM
awardepa.epa
ACPITBL.BIN
cav_shdw.bin
pci32.rom
sony.bmp
RTSROM.ROM
original.tmp
cpucode.exe
AWARDEXT.ROM
AWARDEYT.ROM
FILE1.ROM
awardepa.epa
ACPITBL.BIN
cav_shdw.bin
pci32.rom
00000-
60000- stn.bin Award Decompression BIOS Award Decompression BIOS 32000-
74000- asus.bmp DMI(SONYなど) 「0」で埋まっています 38000-
76000- Award Decompression BIOS ACFG ACFG 39000-
7E000- Award Boot Block Bios V1.0 Award Boot Block Bios V1.0 Award Boot Block Bios V1.0 3E000-
 上記のように、VAIOのP4B-LXと市販版のP4B-LXは大変似てはいるが、一部異なっている。